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2008/05/01

執筆者: junsekiguchi (11:52 am)
6:商品の感想
これは一体、どういう事でしょうか。私は食べていないので感想を記述する事などは当然できない。しかししゃべる犬スナイプス自身はどう感じているのか。
「いや、結構おいしいですよ」
私に気を浸かっているのか、しゃべる犬スナイプスはこう言う。なのでここは彼の言う通りに「結構おいしい」と書いておこう。これには、こう書いておけば相手先の営業部長さんに対しても好印象を与える事になるという狙いもある。このように相手に媚びるような姿勢は、私も結局のところ一般的な市場原理主義者とたいして変わらないという事であろう。

7:電子メイルアドレス
これは正直に書く。記載した所で何の問題もないであろう事は目に見えている。こんな点からも、私がいかに正直者かというところが伺える。
正直者は馬鹿をみるという言葉があるものの、この場合はどんな馬鹿をみるというのか。合法ドラッグの購入に関する提案を非合法的な事務所から送られて来る可能性は以前よりも高くなるものの、そんなものに私は屈しない。

8:電子メイルで商品の情報配信を希望するか否か
これは簡単だ。「いいえ」。
しかしもし凄い情報が配信されていたら、それを受け取らない事の方がリスクになってしまう可能性がある。たとえば今回のようなプレゼントのお知らせが事前に電子メイルで届くとしたならば、それに対する準備を行う事が可能だ。今回の出費も中々なものだ。前もってわかってさえいればビアの量を減らすなど、それなりの対処ができたというものだ。となればやはりここは配信を希望しておこう。「はい」。

そして私としゃべる犬スナイプスは、一仕事終えた開放感から読書会へと参加した。
2008/04/25

執筆者: junsekiguchi (6:39 pm)
 当初このメルヘン小説は当初、「大統領ウラジミール」というタイトルであった。しかし「イワンの馬鹿」みたいなタイトルがいいなあと考えている最中の事、私の良き友人であり市場原理主義者でもあるワシリーに、民主主義という名のマーケットがどのようにして世界を食い漁っているかを図を用いて説明している際に、市場という神を信じきっている彼は私に向かって「このほら吹きめ!」と言い放ったのである。私はすぐに、
「今、何て言った!?」
と応答し、ワシリーは
「このほら吹き!」
「ほら吹きセルゲイ!」
と繰り返したので、
「それだよ、それ!君は天才だ!」
と言って走って帰宅し、タイトルを「ほら吹きウラジミール」とした。
ここが「ほら吹きウラジミール」と「ほら吹きワールドカップ」の接点となる訳だが、これは直接的にモスクワへの旅プレゼントへの応募動機となる。ほらを吹くはずのない大統領がほらを吹く。
小説のジャンルは当初社会派ドラマと思っていたが、どのようなジャンルが適当かを百科事典でそれぞれ調べてみると、メルヘン小説の欄にはこう記載されていた。
「空想性に富む物語。非現実的な事件が起る。(抜粋)」
つまりこの小説はメルヘン小説ということになり、この設定は中々メルヘン小説としても奇抜である。しかし私は執筆の最中すぐに気が付く。国家はほらを吹かないというのは定説なわけであるが、このウラジミールさんの展開する内政及び外交そのものがほらなのではないかと。しかし行政とほらを同列で考えるなどとんでもない。ほらとは、一体なんなのか。本物のほら吹きとは一体何なのか。
「ほらふき:大げさなでたらめを言ったり、大言を吐いたりする人」
辞書にははっきりとこう記されている。これは、私が執筆した架空の国家の架空の大統領そのものではないか。こうなってくるとこのタイトルも好都合だ。しかし小説を執筆する以上は本物のほら吹きというものを目の当たりにしたい。そこで偶然ほら吹きワールドカップの存在を知り、その大会に参加すればこの小説に更なる味が加わると考えた訳である。
 動機を説明すると以上のようになる訳だが、これをうまく纏めると、
「国家がほらを吹くかどうかを確かめるため」
これが最も妥当であろう。
2008/04/21

執筆者: junsekiguchi (8:19 pm)
あれはもう8年前の話である。世界的にテロリズムという言葉が流行しはじめていた。テロリズムという言葉に興味をもった私は、早速私のお気に入りの辞書でその言葉を調べてみることにした。人前でテロリズムという言葉をもとに議論を行うにはまずその言葉の意味を正確に知っていなければならないからだ。そして辞書にはこう記されていた。
「テロリズム:政治的目的を達成する為に、暗殺・暴行・粛正・破壊活動など直接的な暴力やその脅威に訴える主義」
なるほど。しかし私は混乱した。このうちの全てが当てはまらなければテロリズムとは見なされないのか、またはこのうちの一つでも当てはまればテロリズムと認定されるのか。そこで当時の代表的なテロリズムをいくつか例に挙げて考えてみた訳だが、上記の4つの単語のうち、それらテロリストと見なされる組織が行っているものの殆どが1:暗殺、2:破壊活動となる。つまり全てが当てはまらなくても一般的にはテロリストと認められる訳である。そこで疑問に思ったのは、3:暴行、4:粛正である。暴行、粛正とは、正確な意味は分らないものの、主に権力者が一般人に対して行う行為ではないだろうか。各国の歴史を振り返ってみてもそれが簡単に読み取れる。しかし国家という共同体がテロリストである訳が無い。国家は偉いのだ。
そこで私は、自分の疑問を解消するためにこの小説を執筆しはじめたのだ。内容は、ある架空の国家の行政機関が、上記4つのキーワード全てを繰り返して行くという壮大なメルヘンだ。まあそんな国家がある訳がないので必然的にフィクションになってしまう訳である。このウラジミールというのは架空の国家元首の名前である。このような辞書でいうテロ行為を行う国家なので、彼の出身は凶悪なテロ組織という事にしたい訳だが、でもそれは不可能だ。テロ組織が資本主義社会を目指すというのもおかしな話かもしれないと思ったからだ。なぜそれがおかしな話なのかはこの時点では分らなかった。ただ何となくそう思っただけだ。しかし執筆が進むにつれてその点を理解し始めた。まあそれはさておき、つまりはテロ組織出身の国家元首というのはたくさんいる訳だが、ここでは資本主義社会が舞台であるため、テロ組織出身ではなくしかしテロ組織と変わらない体型を持つ組織の出身という事にしたい。しかしそれは一体どのような組織であろうか。上記4つのキーワードと私の私見を照らし合わせてみて考えついたのが、国家による諜報組織だ。CIAやMI6を最初考えたが、それだと小説としてありがちで、CIAという言葉が小説に出て来るだけで薄いエンターテインメント小説を個人的に連想してしまう。その為にまあ自分の国でもある我らがFSB出身という設定にさせてもらった。良心の代表ともいえるFSB出身者が悪い事をする。この意外性が最高だ。FSB出身という事は、今までは正義の味方として我々国民を凶悪なテロリスト達から守ってくれていた訳である。つまりはテロリストの行動や方法論などに関してはテロリストそのものよりも知り尽くしていなければならない訳である。彼は大統領に就任するために様々な工作を練る。その第一の作戦が、民族主義である。民族主義を国民に対して煽る事により、自分のイメージを今までになかった強いリーダーであるというものに仕立て上げるのだ。まずその為には、悪役がいなければならない。この架空の国から独立しようとしている国を好都合だとばかりに悪役に仕立てた。まず凶悪なテロ行為とされる事件を彼の所属する政党自らが起こす。例えば爆破事件だ。地下鉄もしくは集合住宅に爆弾を仕掛けるなどが適当だろう。事件を起こした数日後に、これらはその独立を目指している国が起こした事件だと断定し、報道発表を行う。そして彼は軍隊を動かし、「このテロ行為に我々は屈しない」などと演説する。するとたちまち無名だった彼の知名度が上がり、一国の大統領へと伸し上げたのだ。その後も上記1、2、3、4全てを繰り返し、造り出した敵に決して屈しない強い国家を作り上げ、国民からの支持を確固たる物にして行った。
つまりはテロリズムという言葉に対する疑問からこの「ほら吹きウラジミール」の執筆を始めたわけだ。
2008/04/14

執筆者: junsekiguchi (9:28 pm)
4:職業
徹底した反市場原理主義を貫くアーティスト。いや、それはまずい。自分で自分の事をアーティストとか言ってはまずい。困った。市場最先端都市のシステムは、無駄な物を造り出してそれを何とか捌く。単純にそれだけである。営業という言葉には最近かっこよささえ覚えてしまう。生活に必要の無い事を敢えて行うという行為は、芸術家のそれと同列なのかもしれない。商業音楽、結構ではないか。しかし私は知りたい。では何故、芸術家は皆良いやつなのにお金大好き君は皆悪いやつなのだろうか。いや、もしかしたら以外と悪くもないかもしれない。金というアイテムが人間の心に余裕という優しさを齎す場面は、貧困が齎す精神的抑圧/混乱よりも機能的に優れているではないか。私の場合は言うまでもなく後者ではあるが、どうしよう。

「貧しいが、余裕」

こう書けば皆、「徹底した反市場原理主義を貫くアーティスト」と思ってくれるに違いない。

5:応募の動機
これも正直に書かなければならない。その為にはどこから説明したらよいのか。そこが重要になってくる。素直に記述するとしたらこうなる。「ほら吹きウラジミール執筆のため」。しかし問題は、コンテクストをどこまで含むかという事だ。つまりこれだと先方の営業部長に阿呆だと思われてしまう。ここは冷静に、ほら吹きウラジミールとモスクワの関係性を説明しなければならない。「ほら吹きウラジミール執筆の為のほら吹きワールドカップ参加のため」。これではもっと阿呆だと勘違いされてしまう。阿呆と思われない為にはどうしたらよいのか。まずこのほら吹きウラジミール執筆に至った経緯を説明しなければならないだろう。 これは自分の人生に係って来るため、この書類の中で最も困難な箇所である。
2008/04/11

執筆者: junsekiguchi (10:38 am)
応募用紙には様々な情報を提供しなければならない。住所と名前は書かなければ仕方が無いかもしれないが、その他書き留めなければならない箇所が多すぎるように感じてしまう。これらの情報はいったいどのような扱いを受けるのであろうか。しかし私は隠し事などしない主義なので、全て真実に基づいてここに書き留める事をこのドッグフードメイカーの営業担当部長に誓う事とした。提供しなければならない情報をダイジェストで見てみると、1:名前、2:住所、3:年齢、4:職業、5:応募の動機、6:商品の感想、7:電子メイルアドレス、8:電子メイルで商品の情報配信を希望するか否か
1〜3に関しては事実を記号的に記載するという近未来感覚でできるのでここは嘘の付き様が無い。嘘をつこうものならばモスクワの旅行が当たる可能性が格段に小さくなってしまう。大体嘘はいけない。しかしそうなると、4番からが問題だ。それぞれ僅か40㎠程の枠内にいかにして書ききるかだ。モスクワ旅行は簡単には手に入らないという事の証明だ。この1万キロ以上離れた独立社会主義国家とも思える場所から、資本主義的な繁栄を遂げている大都会へと向かうためにはこの僅かな枠をいかにして捉えるか、つまりそこにはストラーカーの感性が必要となって来る訳だ。逆に言えば、僅かなスペースに頑張って自分の意見を纏めさえすれば、ソビエト崩壊から現在に至る年月を飛び越える事ができるという訳だ。そこで流されて来た血と汗と涙は計り知れないはずであり、その経験をせずに手に入れたものを更に発展させるのが我々ネクストジェネレーションの使命である。

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